頭皮に負担のかからないシャンプー剤に変えたり、
育毛剤で血行促進したりと、頭皮環境を整えるためのヘアケアは大切ですが、
その前に、健康的な体であることが必要です。
「美しい髪は、健康的な体に宿る!」というように、
栄養バランスのよい食事を規則正しく摂って、
健康的な体を維持していかなければなりません。
また、髪の毛1本は、ヘアサイクルによって抜け落ちた後、
約4ヵ月後に、また新しく生まれてきます。
その時、毛根の奥にある毛乳頭や毛母細胞は、
毛細血管からアミノ酸をはじめとした栄養素を十分に取り入れることができなければ、
発毛することができません。
しかし、無理なダイエットをしたり、不規則な食生活が続くと、
栄養バランスの偏りからヘアサイクルが乱れ、
薄毛や抜け毛を招くことになってしまいます。
なので、ヘアケアと同時に、
体の内側からのケアとなる食事にもしっかり気を遣うことが大切になります。
特に、髪の毛の材料となる良質なタンパク質を十分に摂ることが必要です。
髪の毛の主成分は、ケラチンというタンパク質で、
18種類のアミノ酸で構成されています。
その18種類のアミノ酸とは、
イソロシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、
トリプトファン、バリン、ヒスチジンの「必須アミノ酸」といわれる9種類と、
チロシン、システイン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸、プロリン、
グリシン、アラニン、アルギニンの「非必須アミノ酸」といわれる9種類です。
「必須アミノ酸」は、体内で合成することができず、
食べ物から摂取しなければならないので「必須」という言葉がついています。
そして、この「必須アミノ酸」が、
十分に含まれているタンパク質が良質とされています。
食べ物から取り入れられたタンパク質は、一旦、胃や十二指腸でアミノ酸に分解され、
全身に運ばれて、それぞれの各部位で機能するタンパク質として再合成されますが、
「必須アミノ酸」を含んだ良質なタンパク質は、
髪の毛の材料であるケラチンへと再合成しやすいタンパク質ということになります。
なので、ただ単にタンパク質を摂るのではなく、
「必須アミノ酸」を含んだ良質なタンパク質を摂ることが大切になります。
しかし、ある食材の栄養成分を見た時、
タンパク質の含有量は分かっても、アミノ酸の種類までは把握できません。
そこで、良質なタンパク質かどうかを分かりやすく数値化した
「アミノ酸スコア」というものがあります。
アミノ酸スコアが、
100に近いほど「必須アミノ酸」がバランスが良く含まれて、
良質なタンパク質となります。
スコア100となるのは、
豚肉、牛肉、鶏肉、魚類、チーズ、卵などの動物性タンパク質が中心で、
大豆や豆腐などの植物性タンパク質も高いスコアになります。
ただし、動物性タンパク質は、脂肪分が多く、基本的に高カロリーになるので、
カロリー摂取オーバーにならないように注意が必要です。